Photoshopが重い:原因と高速化の完全ガイド
Photoshopが重い:原因と高速化の完全ガイド
ブラシの一筆ごとに遅延があり、カーソルが手の動きから遅れ、ファイルの保存がひと休みの時間に変わるなら、原因はまず単一ではありません。Photoshopが重くなるのは複数の要因の重なりです。メモリ不足、埋まったスクラッチディスク、誤ったキャッシュ設定、無効になったGPU、そして大量の重いレイヤー。良い知らせは、90%のケースがハードの買い替えではなく設定で解決することです。
このガイドには、よくある重さの原因と、WindowsとMacそれぞれの手順を解決策としてまとめました。最も頻繁で速いものから、まれで複雑なものへと順に進むので、最小限の時間ですぐ違いを感じられます。最後によくある質問と、メモリ容量別の最適な設定を載せます。
先にひとつ受け入れておくべき考えがあります。Photoshopの重さは、ほぼ常に積み重なります。メモリ不足だけなら操作ごとに1秒、遅いスクラッチディスクだけならもう1秒、無効なGPUだけならさらに半秒。単独では気づかなくても、合わさると快適な作業がカーソルとの格闘に変わります。だから正しい対処は、魔法のチェックボックスを探すことではなく、各ブロックを順に潰していくことです。実際の現場では、メモリ上限、SSD上のスクラッチディスク、有効なGPU、ヒストリーの整理という4つの単純な設定の組み合わせだけで、重いPSDの作業が1円もかけずに2〜3倍速くなることも珍しくありません。
Photoshopが重いとき、診断はどこから始めるか
設定をやみくもに変える前に、何につまずいているのかを理解すると役立ちます。Photoshopには、メモリが足りているかを示す効率のインジケーターが内蔵されています。ドキュメントウィンドウの下部、倍率の隣の三角をクリックし、Efficiency(効率)を選びます。値が100%前後を保っていればメモリは足りており、RAM内で動いています。95〜90%を下回ると、Photoshopがメモリの代わりにスクラッチディスクを使い始めており、これは数十倍遅く、ラグの原因になります。
次の基本ステップは、すべてが遅いのか特定の操作だけが遅いのかを見極めることです。ファイルの開閉が遅いなら、ボトルネックはディスクにあることが多いです。ブラシ、変形、フィルター、拡大縮小が重いなら、GPU、キャッシュ、ドキュメント容量が原因のことが多いです。インターフェースやメニュー、パネルが固まるなら、フォント、プラグイン、古いバージョンを疑います。以下で各ブロックを、数値と正確な手順とともに詳しく見ていきます。
早見表:症状と考えられる原因
記事全体を読まずに済むよう、自分の症状を表で見つけ、該当セクションへ進んでください。
| 症状 | 考えられる原因 | セクション |
|---|---|---|
| Efficiencyが90%未満、すべてが重い | メモリ不足 | メモリ |
| ファイルの開閉に時間がかかる | 遅い、または埋まったスクラッチディスク | ディスクとキャッシュ |
| Scratch disks are full のエラー | スクラッチディスクに空きがない | ディスクとキャッシュ |
| ズームや回転でカクつく、ブラシがラグる | GPUが無効、または不具合 | ビデオカード |
| 起動が遅い、フォントパネルが固まる | 数百のフォントとプラグイン | 重いファイル |
| 特定の1ファイルだけ重い | 肥大化したプロジェクト、スマートオブジェクト、レイヤー | 重いファイル |
| システム更新後から重くなった | 古いバージョン、または古いドライバー | バージョンと予防 |
改善したかどうかを測る
感覚で自分をだまさないよう、結果を測ります。同じ重いファイルを開き、ストップウォッチで3つの操作を計ります。ファイルを開く、カンバス全体にぼかし(ガウス)のような重いフィルターをかける、PSDで保存する。設定の前後で数値を記録すると、プラセボではない実際の伸びが見えます。加えてEfficiencyパネルを開いておくと、その割合が、いまメモリで詰まっているかどうかの最も正直な指標になります。
メモリ:重さの最大の原因と設定方法
Photoshopはメモリを大量に使うプログラムです。開いた各ドキュメント、各レイヤー、各ヒストリー、各プレビューがメモリを占めます。足りなくなると、データをスクラッチディスクへ退避し始め、すぐに遅さを感じます。だからRAMの使用設定は、最初に確認すべきことです。
実際に必要なメモリはどれくらいか
快適な作業のためのメモリ容量の目安です。
| RAM容量 | できること |
|---|---|
| 8GB | 最小限。軽いレタッチ、ウェブグラフィック、3000pxまでのカード。重いファイルはラグります。 |
| 16GB | 商品撮影やカタログの実用的な最小限。6000pxまでのファイルで快適。 |
| 32GB | 最適。多層のコラージュ、周波数分解、バッチ処理が重さなく可能。 |
| 64GB以上 | 巨大ファイルのプロのレタッチ、パノラマ、1シフトで数百枚の切り抜き。 |
Photoshopでメモリ上限を設定する
プログラムは自動でメモリを全部確保せず、上限を手動で指定します。
- Edit(編集) → Preferences(環境設定) → Performance(パフォーマンス)を開きます。MacではPhotoshopメニュー → SettingsまたはPreferences → Performanceです。
- Memory Usage(メモリの使用状況)ブロックのLet Photoshop Useの欄を見ます。ここで、確保できるメモリ量を指定します。
- 16GBのシステムなら70〜75%、32GBなら80%まで安心です。8GBでは60〜65%を超えないでください。超えるとシステム自体が重くなります。
- OKを押してPhotoshopを再起動します。上限の変更は再起動後にのみ有効になります。
よくある失敗は、スライダーを最大の100%まで振り切ることです。これはいけません。OS、ブラウザ、バックグラウンドのプロセスにもメモリが必要です。すべてをPhotoshopに渡すと、システム自体がスワップし始め、コンピュータ全体が重くなります。
主要な構成ごとの具体的な値
割合を頭で計算せずに済むよう、ギガバイトでの目安を示します。Let Photoshop Useの欄には割合の右に絶対値が表示されるので、それを目安にします。
| RAM合計 | Photoshopに渡す | システムに残す |
|---|---|---|
| 8GB | 約5GB(60〜65%) | 約3GB |
| 16GB | 約11〜12GB(70〜75%) | 約4〜5GB |
| 32GB | 約25GB(80%) | 約6〜7GB |
| 64GB | 約52GB(80〜82%) | 約12GB |
Photoshopと並行してIllustrator、タブを大量に開いたブラウザ、メッセンジャーを開いているなら、Photoshopの割合をさらに5〜10%下げます。逆に、Photoshop以外に何も動いていないなら、上限を安心して高く保てます。
いま何がメモリを食っているか
- 余計に開いたドキュメント。各タブがレイヤーとヒストリーをメモリに保持します。現在のファイル以外を閉じます。
- 数十のタブを開いたブラウザ。現代のブラウザは4〜8GBを簡単に消費し、それはPhotoshopに回せたはずのものです。
- 大きな画像のクリップボード。6000pxのレイヤーをコピーするとメモリに残ります。Edit → Purge → Clipboardで消します。
- 隠れたバックグラウンドアプリ、メッセンジャー、クラウドクライアント、ウイルススキャン。Windowsのタスクマネージャー、Macのアクティビティモニタで確認します。
実際のメモリ消費を確認する
推測せず、Photoshopが実際にどれだけ食っているか確認します。Windowsでは、Ctrl、Shift、Escでタスクマネージャーを開き、プロセスタブでAdobe Photoshopを探し、メモリ列の数値を見ます。Macでは、Spotlightからアクティビティモニタを開き、メモリタブでPhotoshopを探します。すでに割り当て上限近くを占めていてEfficiencyが90%未満なら、上限が低すぎるので上げるべきです。逆にメモリがほとんど使われていないのに重いなら、ボトルネックはRAMではなく、ディスクかGPUに移ります。
よくある誤解:メインメモリとビデオメモリを混同する
ビデオカードに8GBあれば解決すると思う人が多いですが、そうではありません。ビデオメモリ(VRAM)は、GPUが計算する操作、つまりズーム、カンバスの回転、一部のフィルターにしか役立ちません。ドキュメント本体、レイヤー、ヒストリーは通常のメインメモリに置かれます。だからレタッチ向けの買い替えでは、常にシステムRAMがビデオカードより優先です。12GBのVRAMを持つ強力なゲーム用カードでも、システムメモリが8GBだけなら、32GBのシステムRAMを持つ控えめなカードよりPhotoshopで重くなります。
作業は軽いのに16GBが足りなく感じる理由
小さなカードを扱っていても16GBが尽きることがあり、原因はたいていPhotoshopではありません。現代のWindowsは、ブラウザ、メッセンジャー、バックグラウンドサービスを起動しているだけで6〜8GBを占めます。Photoshopには半分以下しか残らず、ヒストリーつきのドキュメントを数枚開くと上限に達します。だから16GBのマシンでは、プログラムの設定だけでなく、重いレタッチの前にブラウザや余計なアプリを閉じることが大切です。閉じるものがなくてもメモリが尽きるなら、32GBへの移行を計画する最初の正直な合図です。
ディスクとキャッシュ:スクラッチディスクの設定
メモリが足りなくなると、Photoshopはスクラッチディスクを使います。これはRAMに収まらないデータを退避する、ハードディスクやSSD上の一時領域です。スクラッチディスクが遅い、またはほぼ満杯のドライブに設定されていると、重さは避けられません。Scratch disks are full(スクラッチディスクの空きがありません)のエラーは、そもそも作業をさせてくれません。
ディスクは見た目より重要
スクラッチディスクの速度は反応の良さに直結します。通常のHDDは毎秒約100〜150MB、安価なSATA SSDは約500MB、NVMe SSDは2000〜7000MBを出します。HDDとNVMeの差は、スワップ時では数秒のフリーズとほぼ気づかない遅延の差になります。だから第一の原則は、スクラッチディスクは満杯のシステムパーティションではなくSSDに置くことです。
| ディスクの種類 | 速度 | スクラッチディスク適性 |
|---|---|---|
| HDD 5400回転 | 80〜120MB/秒 | 不可、スワップで重い |
| HDD 7200回転 | 120〜160MB/秒 | 軽い作業なら許容 |
| SATA SSD | 450〜550MB/秒 | 良好、はっきりした伸び |
| NVMe SSD | 2000〜7000MB/秒 | 最良、理想的な選択 |
スクラッチディスクを正しく設定する
- Edit → Preferences → Scratch Disks(MacはPhotoshop → Settings → Scratch Disks)を開きます。
- データ用に別の速いSSDがあれば、システムディスクCのチェックを外し、そのSSDにチェックを入れます。
- SSDが1台でシステム兼用なら、それを使いますが、Photoshopのために必ず最低20〜40GBの空きを保ちます。
- 選んだディスクを矢印で一覧の上へ移動します。一覧の先頭が優先で使われます。
- OKを押して再起動します。スクラッチディスクは起動時にのみ反映されます。
ディスク満杯でPhotoshopが起動しないとき
Scratch disks are full が起動時に出て、設定に入れず起動できないことがあります。対処法はあります。Photoshopのアイコンをクリックした直後に、Windowsでは Ctrl と Alt、Macでは Cmd と Option を押し続けます。プログラムの読み込み前にスクラッチディスク選択のウィンドウが現れます。空きのあるディスクを指定すればPhotoshopが開きます。その後、問題のディスクの空きを作り、必要なら通常の設定で割り当てを変えます。
どれだけの空きを保つべきか
Photoshopは重い作業時、とくにバッチ処理や巨大なカンバスで、一時ファイルに50〜100GB以上を占めることがあります。最低20GB、快適には50GB以上を空けておきます。ディスクが満杯だと、常に上限に当たって固まります。ダウンロード、ゴミ箱、一時ファイルを定期的に整理します。作業パーティションに常に15〜20%以上の空きを保つのは良い習慣です。SSDは85%を超えると書き込み速度自体が落ち始めます。
一時ファイルはどこへ行き、どう見つけるか
Photoshopが異常終了して、数ギガの一時ファイルを残し、場所を占め続けることがあります。Windowsでは、環境変数TEMPが指すユーザーの一時ファイルフォルダに、Photoshop Tempと長い数字のような名前で見つかります。Macでは一時データ用の隠しシステムフォルダにあります。Photoshopを閉じているのにディスクが説明のつかないほど埋まっているなら、これらの残骸を探して削除します。ただしプログラムが本当に閉じているか確認してください。開いていると、有効なセッションのファイルを消してしまいます。
キャッシュのレベルとタイルサイズ
同じPerformanceのセクションに、Cache Levels(キャッシュレベル)とCache Tile Size(キャッシュタイルサイズ)があります。キャッシュは画面の再描画速度とヒストリーの動作を担います。選び方の論理は単純です。
- 小さなファイルとウェブグラフィックが多いなら、Cache Levelsを1〜2、タイルを小さくします。小さなドキュメントの反応が速くなります。
- 大きな多層ファイル、高解像度写真なら、Cache Levelsを4〜6、タイルを大きくします。重いカンバスの作業が速くなります。
- 迷ったら既定のCache Levels 4のままにします。
Photoshopにはキャッシュ欄のすぐ下にプリセットがあります。小さなファイルにはWeb/UI Design、通常にはDefault/Photos、巨大なカンバスにはHuge Pixel Dimensions。該当するものを押せば、最適な値が自動で入ります。
ヒストリーとスナップショット
各ヒストリーは状態のスナップショットで、メモリとディスクを占めます。既定では50ステップ保持します。重いファイルを扱い、深い取り消しを使わないなら、Performanceの History & Cache で20〜30に減らします。消費が目に見えて下がります。そしてEdit → Purge → Allで、ヒストリー、キャッシュ、クリップボードをまとめて解放します。
ヒストリーが少ないほどファイルは軽い
具体的に言うと、6000×6000ピクセルのカンバスでの1ステップは数十メガバイトです。重い多層ファイルの50ステップは、簡単に数ギガのメモリを食い、それはおそらく戻らないものを保持しているだけです。20ステップに減らせば、そのリソースを実作業に回せます。深い取り消しが重要なら、要所でスナップショット(Snapshots)を使う方がよいでしょう。スナップショット1枚は、30の途中ステップより安上がりです。
ビデオカード:GPUの確認と有効化
現代のPhotoshopは、拡大縮小、カンバスの回転、多くのフィルター、変形、ぼかし、インターフェースの描画をビデオカードに任せます。GPUアクセラレーションが無効だったり、古いドライバーで動いていたりすると、強力なマシンでもズームのカクつき、ブラシのラグ、遅いフィルターが起こります。これは最も頻繁で、しかも簡単に直せる重さの原因のひとつです。
GPUの確認と有効化
- Edit → Preferences → Performance(MacはPhotoshop → Settings → Performance)を開きます。
- 右のGraphics Processor Settings(グラフィックプロセッサーの設定)ブロックに、ビデオカードの名前が表示されているはずです。
- Use Graphics Processor(グラフィックプロセッサーを使用)にチェックが入っているか確認します。なければ入れます。
- Advanced Settings(詳細設定)を押し、描画モードを選びます。多くはNormalで足ります。アーティファクトの不具合があればBasicを試します。Advancedは最大速度ですが、正常なドライバーが必要です。
- Photoshopを再起動します。
Windowsでのドライバー更新:手順
GPUのチェックが無効なのは、たいていドライバーが原因です。Photoshopは安定性のため、古いドライバーだとアクセラレーションをブロックします。手順で進めます。
- ビデオカードの型番を確認します。WinとRを押し、dxdiagと入力し、ディスプレイタブでチップ名(NVIDIA、AMD、Intel)を見ます。
- チップメーカーの公式サイトで、あなたの型番とWindowsのバージョンに合ったドライバーをダウンロードします。
- インストール時にクリーンインストールの選択肢があれば選びます。古い競合するバージョンを削除します。
- Photoshopだけでなく、コンピュータを完全に再起動します。
- PhotoshopのPerformanceで、GPUのチェックが再び使えるか確認します。
重要な注意:Windowsの自動更新だけに頼らないでください。グラフィックソフトでのアクセラレーションを完全に支えない、機能を削ったドライバーを入れることがしばしばあります。チップメーカーのサイトからダウンロードしてください。
Windowsのビデオカード2枚搭載ノート
ゲーミングやワークステーション向けのノートには、省電力用の弱い内蔵と強力な外付けの2つのチップが載っています。既定ではPhotoshopが弱い内蔵で起動し、そこから重さが生じます。強力なカードを強制指定します。
- Windowsの設定 → システム → ディスプレイ → グラフィックを開きます。
- 参照ボタンでPhotoshopのexeファイルを指定し、一覧に追加します。
- 追加したアプリの設定を開き、高パフォーマンスを選びます。これで外付けカードに紐づきます。
- Photoshopを再起動します。
同じことは、NVIDIAやAMDのドライバーのコントロールパネル、3D設定の管理でPhotoshopに優先する高性能プロセッサーを指定してもできます。
GPUを逆に無効にすべきとき
まれに逆の状況もあります。特定のカードやドライバーでPhotoshopが不具合を起こし、インターフェースがちらつき、ブラシ時にアーティファクトが出ることがあります。有効なGPUがアクセラレーションではなく問題を招くなら、一時的にUse Graphics Processorのチェックを外し、再起動して挙動を比べます。問題のあるGPUで速いが不安定より、プロセッサーで安定して動く方が良いこともあります。これは診断の手法で恒久的な解決ではありません。通常はGPUを有効にすべきです。
Macでの特徴
M1、M2、M3以降のプロセッサーを積んだAppleのコンピュータでは、Photoshopはネイティブで動き、内蔵のグラフィックアクセラレーターを非常に速く使うため、別途ドライバーは不要です。Intelの古いMacで外付けカードを使う場合の論理はWindowsと同じで、GPUのチェックを確認し、macOSを最新に保ちます。Apple Siliconで重さがあるなら、原因はほぼGPUではなく、メモリ、ディスク、バージョンです。
Apple Siliconでネイティブ起動しているか確認する
M1、M2、M3のMac所有者向けの落とし穴があります。Photoshopが誤って互換レイヤーのRosetta経由で起動していると、本来より目に見えて遅くなります。確認:プログラムを閉じ、アプリケーションフォルダで探し、右クリックして情報を見る(Get Info)を選び、Rosettaを使用して開くのチェックが外れているか確かめます。ネイティブでは同じファイルでも体感で速く、とくにフィルターやニューラル系の機能で差が出ます。
iPhoneやAndroidでPhotoshopが重い
タブレットやスマートフォンではモバイル版が動き、重さの論理が異なります。端末のメモリとドキュメントの大きさで詰まります。iPhoneやiPadでは1つのプロジェクトだけを開き、他のアプリをスワイプで閉じてメモリを空けます。メモリの小さい古いiPadでの大きなドキュメントは、複雑なブラシでラグるので、カンバスの解像度を下げます。Androidでは最近のアプリメニューからバックグラウンドを閉じ、ストレージの空きを確保します。スマートフォンでの再起動も、コンピュータと同じく、たまった重さをまとめて解消します。ごく非力な端末では、切り抜きや背景除去のような単純な操作は、すべてをサーバーで計算しスマートフォンに負荷をかけないブラウザのオンラインツールで行う方が速いです。
重いファイル:プロジェクトの衛生
理想的な設定の強力なマシンでも、ファイル自体が肥大化していれば重くなります。原因はプログラムではなくプロジェクトにあり、ドキュメントの衛生で治ります。とくにマーケットプレイス向けのカードのレタッチでは、ファイルがレイヤー、スマートオブジェクト、効果で急速に膨らみます。
レイヤーとグループが多すぎる
数百のレイヤー、数十のグループ、各レイヤーのマスクが同時にメモリに保持されます。やること。
- 個別に編集する必要のなくなったレイヤーを結合します。グループを選び、結果に自信があればスマートオブジェクトへの結合か統合を行います。
- 忘れられた隠れたレイヤーや空のレイヤーを削除します。未使用レイヤーの削除コマンドが役立ちます。
- 編集を終えた重いスマートオブジェクトはラスタライズします。スマートオブジェクトは元データを丸ごと保持し、重くなります。
- 1つのファイルにフル解像度のアートボードを数十も持たず、別ドキュメントに分けます。
スマートオブジェクトとリンクファイル
スマートオブジェクトは非破壊編集に便利ですが、埋め込み型は各々が元画像の完全なコピーをPSD内に保持します。50MBの写真を10枚スマートオブジェクトとして貼ると、ファイルは数百メガに膨れ、操作ごとに遅延が出ます。重いプロジェクトでは、元を別ファイルに置きPSDには参照だけを保つリンク型スマートオブジェクトを使います。
納品前のファイル衛生チェックリスト
重いプロジェクトをこの一覧に通すと、ときに何倍も軽くなります。
- 隠れたレイヤーと空のレイヤーを削除します。
- 確実に編集しないレイヤーを結合します。
- 編集を終えたスマートオブジェクトをラスタライズします。
- Image → Trimでカンバスを内容に合わせて切り詰めます。余計な透明の余白も重さになります。
- 用途に対して過剰なら解像度を下げます。
- 使っていないレイヤースタイルと調整レイヤーを取り除きます。
- 清書のコピーを別ファイルとして保存します。作業ファイルに上書きしません。
フォント、静かな速度の殺し屋
インストール済みフォントの巨大なライブラリは、Photoshopだけでなく起動全体を遅くします。起動時に各フォントがスキャンされるためです。無料の詰め合わせから数千のフォントを入れているなら、それが起動の遅さとTypeパネルの固まりの本当の原因です。
- 使わないフォントをシステムから外します。数千ではなく数十の実用フォントだけを有効にします。
- すべてを常時有効にせず、必要に応じて読み込むフォントマネージャーを使います。
- フォント一覧にカーソルを当てたときにだけ固まるなら、原因はほぼその数です。
プラグインと拡張機能
外部のプラグイン、パネル、拡張機能は起動時に読み込まれ、競合したり、インターフェースを重くしたり、メモリをリークしたりします。診断は単純です。
- Shiftキーを押しながらPhotoshopを起動すると、起動時の追加プラグインと拡張機能の読み込みを無効にできます。これで重さが消えたなら、いずれかのプラグインが原因です。
- プラグインを1つずつ無効にして、問題のものを見つけます。
- 残すプラグインは、あなたのバージョンに対応したものに更新します。古いプラグインはよくある固まりの原因です。
プレビューとサムネイルの生成
Photoshopは常にレイヤー、チャンネル、パスのプレビューをパネルに描いています。数百レイヤーのファイルでは余計な負荷です。Layersパネルのメニューでレイヤーのサムネイルを小さくするか無効にすると、重いプロジェクトでインターフェースが目に見えて軽くなります。またPSD保存時にMaximize Compatibilityを無効にすると書き込みが速くなります。このチェックは、追加の統合コピーをドキュメント内に保存するものです。
カンバスのサイズと解像度が大きい
ファイルが単に過剰に大きいために重いこともあります。マーケットプレイスの商品カードは、サイトでせいぜい数千ピクセル幅で表示されます。ウェブ用に10000px、600dpiの作業ファイルを保つ意味はなく、無駄な負荷です。用途に見合った解像度で作業します。マーケットプレイスなら大きい辺で1500〜3000px、72dpiで十分すぎます。印刷用の余裕が必要なら別の話ですが、習慣で毎回巨大にしないことです。
マーケットプレイスのカードサイズ要件
過剰な解像度で作業しないよう、プラットフォームの実際の要件を頭に入れます。多くのマーケットプレイスは、商品写真の小さい辺で900〜1000px以上を求め、目安として1200〜1600pxを推奨し、大きくても受け付けます。結論は単純です。大きい辺で3000pxの作業ファイルがあれば、余裕をもってすべてのプラットフォームをカバーします。カードを8000pxで作る意味はなく、メモリとディスクに負荷をかけるだけで、サイトでは結局縮小されます。
重さなしのバッチ処理
一度に100枚のカードを準備するなら、手作業ですべてタブで開かないでください。メモリを殺します。イメージプロセッサー(File → Scripts → Image Processor)か、バッチ処理のアクション(File → Automate → Batch)を使います。Photoshopがファイルを開き、処理し、保存して閉じ、一度に1ドキュメントだけをメモリに保ちます。これで16GBのマシンでもスワップなしに大きな束を処理できます。切り抜きやリサイズのような完全に同種の大量作業は、ローカルのPhotoshopに負荷をかけず、無料のオンラインツールで束ごと処理する方が速いこともあります。
バージョンと予防:メンテナンスとバックグラウンド
古いバージョンのPhotoshopは、頻繁で過小評価された重さの原因です。古いビルドは新しいビデオドライバー、新しいプロセッサー、OSとの相性が悪く、更新で直ったメモリリークがふさがれていません。1〜2年遅れているなら、更新だけで問題が解決することが少なくありません。Creative Cloudから更新しますが、納品直前には入れず、新バージョンに数日の安定性の様子見を与えます。
バックグラウンドのプロセスも別種の重さを生みます。Photoshopの一時ファイルをリアルタイムでスキャンするアンチウイルスは、作業を何倍も遅くしえます。プログラムが絶えずスクラッチディスクに書き込み、アンチウイルスがそのたびに検査するためです。解決策は、スクラッチディスクと一時ファイルのフォルダをアンチウイルスの除外に加えることです。作業中に成長するPSDをクラウドへ上げようとする同期クライアントも同様で、作業ファイルを同期フォルダから出します。OSのディスクインデックス、トレント、バックグラウンドのダウンロード、重いブラウザの作業も、Photoshopに回せたリソースを食います。
Photoshopをアンチウイルスの除外に加える
Windows内蔵のDefenderでは、Windowsセキュリティ → ウイルスと脅威の防止 → 設定の管理を開き、除外を見つけて、Photoshopが一時ファイルを置くフォルダと、作業用PSDのフォルダを加えます。他社製でも論理は同じで、除外や信頼済みフォルダの項目を探します。バッチ処理でとくに重要です。1分で数十の一時ファイルを作成・削除するため、各々をアンチウイルスが検査してしまいます。
設定を工場出荷時にリセットする
Photoshopの挙動がおかしい、インターフェースが不具合を起こす、色が崩れる、説明のつかない重さが出るなら、設定ファイルのリセットが役立ちます。起動時に、Windowsでは Ctrl、Alt、Shift、Macでは Cmd、Option、Shift を押すと、設定ファイルを削除するか尋ねられるので同意します。設定は工場出荷時に戻り、メモリ上限とスクラッチディスクを入れ直す必要はありますが、たまった構成の不具合が消えます。完全な再インストールより安全で速いです。
再起動を習慣にする
Photoshopは長時間の密な作業で、とくに重いファイルを多く開閉した後、占有メモリを少しずつためます。これは複雑なプログラムとして正常です。数時間の集中作業ごと、または大きなバッチ操作の後に再起動する習慣をつけます。再起動はメモリを一気にきれいな状態へ戻し、どんな設定より効果的にたまった重さを解消することがあります。
予防としては、パフォーマンス設定を妥当な値に保ち、Purgeでキャッシュを整理し、数時間ごとに再起動し、スクラッチディスクの空きを保ち、ビデオドライバーとプログラム本体を更新し、数百のフォントとプラグインでシステムを散らかさないことです。これらの単純な習慣が、反応待ちに消える時間を節約します。すべての設定をしてもファイルが本当に重いままなら、そのときはハードを見ます。メモリを32GBまで増やし、システムとスクラッチディスクに速いNVMe SSDを据えるのが、投じた費用あたり最も体感できる伸びです。
スタートアップの余計なものを閉じる
Photoshopの重さの一部は、それ自体ではなく、起動前からシステムが目一杯まで読み込まれていることで生じます。スタートアップの十数個のプログラム、クラウドクライアント、ゲームランチャー、ノートメーカーのユーティリティが、バックグラウンドでメモリとプロセッサーを食います。Windowsではタスクマネージャーのスタートアップタブで、毎回不要なものを無効にします。Macではシステム設定のログイン項目です。整理と再起動の後、Photoshopはより多くの空きリソースを得られ、8GBや16GBのマシンでは差がはっきり出ます。
買い替えが避けられないとき、何に投資するか
設定を出し尽くしても重いなら、費用あたりの効果で優先順位をつけます。1位はメモリです。8から16、16から32GBへの移行が最も効果が大きく、比較的安価です。2位はシステムとスクラッチディスク用の速いNVMe SSDで、まだHDDなら2番目に強い買い替えです。3位はビデオカードで、それも本当に古くアクセラレーションをブロックする場合だけです。レタッチに最上位のゲーム用カードは不要で、現代の中位で足ります。プロセッサーは最後です。Photoshopの速度への影響は、メモリやディスクより小さいです。
よくある質問
強力なコンピュータなのにPhotoshopが重いのはなぜ
強力なハードも、リソースが使われなければ役立ちません。多くの場合、強力なマシンでは古いドライバーでGPUアクセラレーションが無効、設定でメモリ上限が低い、スクラッチディスクが遅い満杯のパーティションにある、のいずれかです。Edit → Preferences → Performanceで、Use Graphics Processorのチェック、メモリ上限、スクラッチディスクの選択を確認します。またスマートオブジェクトと数百レイヤーの肥大化した重いファイルは、どんなコンピュータでも重くなります。
スクラッチディスクの空きがないと出るとき
Scratch disks are full は、一時ファイル用ディスクの空きが尽きたことを意味します。ダウンロード、ゴミ箱、キャッシュを消し、最低20〜40GBを空けます。次にEdit → Preferences → Scratch Disksで、空きの多い別のドライブ、できればSSDをスクラッチディスクに指定して再起動します。このエラーで起動しない場合は、起動時に Ctrl と Alt(Macは Cmd と Option)を押すと、スクラッチディスク選択のウィンドウが開きます。
Photoshopにはどれくらいのメモリが必要ですか
快適な作業の最小限は16GBです。商品撮影やマーケットプレイスのカードで、6000pxまでのファイルに足ります。最適は32GBで、多層のコラージュやバッチ処理が快適です。8GBでも軽いファイルなら作業できますが、重いプロジェクトでは常に重くなります。パフォーマンス設定では、Photoshopにメモリの70〜80%を割り当てます。100%全部にするとシステム自体が重くなります。
非力なノートでPhotoshopを速くするには
余計なプログラムとブラウザのタブをすべて閉じ、Photoshopに1つの作業だけをさせます。ヒストリーを20に減らし、小さなファイルにはCache Levels 2、メモリは60〜65%を割り当てます。用途に見合った小さな解像度で作業し、巨大なカンバスを開きません。Edit → Purge → Allでキャッシュを整理します。スクラッチディスクがSSDにあることを確認します。余計なフォントとプラグインを外します。ビデオカード2枚のノートでは、Photoshopを外付けカードで動かします。
Photoshopでブラシが重い、どうすれば
ブラシのラグは、たいていGPUとファイルサイズに関係します。GPUアクセラレーションが有効か、ビデオドライバーが最新かを確認します。ブラシが巨大なら小さくします。数千ピクセルのブラシは描画が遅いです。ストロークのスムージングや手ぶれ補正を最大にしているなら下げます。余計なレイヤーを結合します。数百レイヤーのカンバスでは一筆ごとの再計算が長くなります。巨大なカンバスで描くなら、用途に見合った解像度に下げます。
再インストールは重さに効きますか
再インストールは、設定ファイルが壊れている、古いバージョンの残骸が競合している場合に効きますが、最終手段です。まず完全な再インストールなしで設定をリセットします。起動時に Ctrl、Alt、Shift(Macは Cmd、Option、Shift)を押すと、設定ファイルの削除を尋ねられ、工場出荷時に戻り、多くの不具合が治ります。それでも駄目なら、Creative Cloudで旧バージョンを完全に削除してから、まっさらに入れ直します。
Photoshopの起動が遅いのはなぜ
遅い起動は、たいてい3つが原因です。起動時にスキャンされる巨大なフォントライブラリ、多数の外部プラグインと拡張機能、そして遅いシステムディスク。有効なフォントを数十に減らし、不要なプラグインを無効にし、Shiftを押しながら起動して拡張機能の読み込みを飛ばし、それが原因か確かめます。PhotoshopとシステムのSSDへの移行が、起動を大きく速めます。
インターネットやクラウドでPhotoshopは重くなりますか
画像処理自体はローカルで行われ、回線速度には依存しません。ただしクラウドが間接的に重くすることはあります。成長するPSDをクラウドへ上げようとする同期クライアントがディスクとプロセッサーに負荷をかけ、保存のたびに固まりを生みます。作業ファイルは同期フォルダの外に置き、仕上がった結果だけをクラウドへ上げます。一部のニューラル系機能はインターネットを要しますが、インターフェース全体の反応には影響しません。
特定の1ファイルだけ重く、他は重くないのはなぜ
これは、原因がプログラムでもハードでもなくプロジェクト自体にある確かな兆候です。ファイルが肥大化しています。レイヤーが多すぎる、重い埋め込みスマートオブジェクト、巨大な解像度、ゴミの隠れたレイヤーなどです。衛生チェックリストにファイルを通し、隠れたものと空のものを消し、終えたスマートオブジェクトをラスタライズし、カンバスを内容に合わせて切り詰め、解像度を必要な分に下げます。この整理の後、同じファイルが同じマシンで軽快に動くことがよくあります。